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【さっつーのAIエージェント】8月30日まで2週間のAI半導体・メモリ重要ニュース:東証プライム経営者用エグゼクティブサマリー

  1. エグゼクティブサマリー
  2. 調査範囲と読み方
  3. 国内の主要ニュース
    1. 最優先|キオクシアとSandisk、2032年までに日本で約5兆円を投資
    2. 高優先|富士通、Hot Chipsで次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」の詳細を公開
    3. 高優先|ソシオネクスト、Intel 18A-PによるAI・HPC向けカスタムSoC開発へ
    4. 高優先|ティアフォーとルネサス、R-Car Gen 5へ自動運転AIを統合
    5. 要監視|SK hynixが宮城県でメモリ工場を検討との報道
  4. 海外の主要ニュース
    1. 最優先|NVIDIA売上高962億ドル、Vera Rubinは本格量産へ
    2. 最優先|メモリ費用がクラウド設備投資の中心へ、AIサーバーは15%超値上げとの報道
    3. 高優先|OpenAI、自社推論ASIC「Jalapeño」の実測性能を公表
    4. 高優先|GoogleとMarvell、最大1,200億ドルに連動するカスタム半導体契約
    5. 高優先|SK hynix、米国初のHBM生産拠点を着工
    6. 高優先|Micron、100億ドルを投じるAIメモリ研究拠点を設立
    7. 高優先|中国YMTC、49億ドル規模の上場申請――NAND世界第3位を主張
    8. 注目|中国CXMT、LPDDR6を量産しXiaomiへ供給
  5. 重要数値と需給シグナル
  6. 経営者への示唆と影響マップ
    1. 1.2027年のAI予算は「メモリ込みのシステム価格」で組み直す
    2. 2.GPUとカスタムASICの使い分けがクラウド選定を左右する
    3. 3.大型投資が決まっても、短期のメモリ不足は解消しにくい
    4. 4.日本企業には「AI半導体の周辺」で大きな事業機会がある
    5. 5.中国メモリは調達候補と競争相手の両面から評価する
  7. まとめ
  8. 主な一次情報・主要メディア

エグゼクティブサマリー

調査基準日は2026年8月30日(日本時間)、対象期間は8月17日〜30日の14日間です。GPU、AIアクセラレータ、カスタムASIC、データセンター向けCPU、車載AI SoCと、HBM、DRAM、NANDフラッシュメモリを中心に、日本企業の経営判断への影響が大きいニュースを選びました。

この2週間で最も重要な変化は、メモリ価格の上昇がAIデータセンターの設備投資計画そのものを変え始めたことです。TrendForceは、大手クラウド事業者の設備投資に占めるDRAMとNANDフラッシュメモリの割合が、2026年の47%から2027年には68%へ上昇すると予測しました。HBMの契約価格も2027年に70〜140%上昇する可能性があります。NVIDIA製AI半導体を搭載した一部サーバーについて、2027年初頭の出荷分から15%を超える価格引き上げが顧客へ通知されたとの報道も出ています。TrendForceReuters

第二に、AI半導体市場の需要は依然として強く、NVIDIAは2026年5〜7月期に962億ドルの売上高を記録しました。データセンター部門の売上高は890億ドルで、前年同期比117%増です。次四半期には全社売上高1,080億ドルを見込み、Vera Rubinの本格量産も始まりました。AI設備投資の拡大は続いていますが、成長を制約する要因は需要不足よりもメモリ、部材、電力、生産能力の不足へ移っています。NVIDIA

第三に、AIモデル開発企業による自社半導体が実用段階に入りました。OpenAIは、Broadcomと開発した推論ASIC「Jalapeño」の測定結果を公表し、比較対象となる市販システムに対して、ピーク時の電力当たり処理量が1.5〜1.9倍、エンドツーエンドの遅延が1.7〜3.6分の1になったと説明しています。GoogleもMarvellとのカスタム半導体契約を拡大しました。AI半導体市場では、汎用性の高いNVIDIA GPUと、大量の定型推論に最適化したカスタムASICの併用が進みます。OpenAI米国SEC・Marvell提出資料

第四に、AIメモリの生産・研究拠点が日米韓をまたいで再編されています。キオクシアとSandiskは2032年までに日本国内で約5兆円を投資する計画を発表しました。SK hynixは米インディアナ州で40億ドルを超えるHBM拠点を着工し、Micronは米アイダホ州で今後10年間に100億ドルを投じるメモリ研究拠点を設立します。大型投資が相次いでも量産能力の立ち上がりには数年を要するため、メモリ不足は2030年ごろまで続く可能性があります。キオクシアSK hynixMicron

第五に、中国のメモリ産業が本格的な量産・資本調達・顧客獲得の段階へ入りました。NANDメーカーのYMTCは49億ドル規模の上海上場を申請し、DRAMメーカーのCXMTはLPDDR6の量産とXiaomiへの供給を発表しました。日本企業は中国メモリメーカーを、技術開発段階の企業ではなく、価格決定力と大手顧客を持つ競争相手として扱う必要があります。Reuters・YMTCReuters・CXMT

調査範囲と読み方

本稿の「短期」は今後12カ月、「中期」は1〜3年、「長期」は3年以上を指します。影響度の「高・中・低」は市場全体の規模ではなく、日本企業の投資、調達、研究開発、事業ポートフォリオを変える可能性を基準にしています。

NVIDIA搭載サーバーの値上げとSK hynixの宮城県工場については報道段階であり、企業による最終決定ではありません。OpenAIの性能数値は同社が公表した測定結果、富士通の性能数値は2027年製品化を前提とした開発目標です。TrendForceの数値は市場予測であり、各クラウド事業者が公表した確定予算ではありません。

国内の主要ニュース

最優先|キオクシアとSandisk、2032年までに日本で約5兆円を投資

キオクシアとSandiskは8月27日、政府支援を前提として、2032年までに日本国内で総額約5兆円を投資する計画を発表しました。四日市工場と北上工場の生産設備、インフラ、技術開発を強化し、AIの普及に伴う大容量・高性能・低消費電力フラッシュメモリの需要拡大に対応します。

両社は過去25年間に日本国内で約9兆円を共同投資しており、四日市の合弁契約も2034年末まで延長しています。今回の計画により、日本はAI向けNANDフラッシュメモリの主要生産拠点としての地位を維持する可能性が高まりました。キオクシア

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: 半導体、SSD、データセンター、製造装置、材料、建設、電力、物流、地方自治体。

経営上の意味: AI時代のNANDは、データ保存用部品に加えて、GPU近傍ストレージ、RAG、KVキャッシュ、学習データセットを支えるメモリ階層を担います。日本の装置・材料・電力・工場インフラ企業には、長期的な受注機会が生まれます。

高優先|富士通、Hot Chipsで次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」の詳細を公開

富士通は8月24日のHot Chips 2026で、2027年に出荷予定のデータセンター向けArm CPU「FUJITSU-MONAKA」のアーキテクチャを説明しました。

MONAKAは1ソケット当たり144コアを搭載し、2nmの演算ダイと5nmのSRAM・I/Oダイを3次元積層します。DDR5の12チャネル、PCI Express 6.0、CXL 3.0に対応し、AI推論、RAG、データベース、コード実行、GPUの制御などを対象とします。富士通は、競合CPU比でアプリケーション性能と電力効率をそれぞれ最大2倍にすることを開発目標にしています。Hot Chips 2026富士通

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: AIデータセンター、クラウド、通信、金融、官公庁、サーバー、半導体設計、ソフトウェア。

経営上の意味: AIエージェントの普及により、CPUはGPUの補助役から、検索、データ処理、ツール実行、セキュリティを担う重要部品へ変わります。MONAKAは国産AI基盤やソブリンAIを構成するCPU候補となります。導入判断では、CPU単体の性能とともに、対応OS、AIライブラリ、サーバー製品、保守体制の成熟度が重要です。

高優先|ソシオネクスト、Intel 18A-PによるAI・HPC向けカスタムSoC開発へ

ソシオネクストは8月18日、Intel Foundryの先端プロセス「Intel 18A-P」を使用するカスタムSoC開発を発表しました。最初の開発対象は高性能コンピューティング用チップレットで、AI、HPC、データセンター、エッジ用途を想定しています。

ソシオネクストはTSMCの先端プロセスを使う開発計画も進めています。Intel 18A-Pの追加により、顧客の性能、消費電力、生産能力、地政学的条件に応じて製造先を組み合わせるマルチファウンドリー戦略が明確になりました。ソシオネクスト

インパクト:短期=低〜中/中期=高/長期=高

主な影響業種: 半導体設計、AIデータセンター、通信、産業機械、エッジAI、EDA、先端パッケージ。

経営上の意味: 日本企業が自社用途に最適化したAI半導体を開発する際、ソシオネクストが設計から先端プロセス、パッケージまでを統合する窓口になり得ます。量産数量が大きい企業では、汎用GPUの継続調達とカスタムSoC開発を並行して評価する価値があります。

高優先|ティアフォーとルネサス、R-Car Gen 5へ自動運転AIを統合

ティアフォーとルネサスは8月20日、SDV向けのオープンなAIコンピューティングプラットフォームを共同開発すると発表しました。自動運転ソフトウェア「Autoware」とティアフォーのE2E自動運転AIモデルを、ルネサスの次世代車載SoC「R-Car Gen 5」上で統合・最適化します。

両社は、レベル2+/2++の先進運転支援からレベル4の自動運転までを同じ基盤上で拡張できる構成を目指します。さらに、トランスフォーマーベースの自動運転AI、LiDAR、4Dレーダーに最適化した次世代AIアクセラレータも検討します。ティアフォー

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: 自動車、Tier 1、車載半導体、物流、バス・タクシー、産業車両、センサー。

経営上の意味: 日本の車載AIで、国産SoC、オープンソースソフトウェア、E2E型AIを一体化する具体的な構図が生まれました。自動車メーカーと部品メーカーは、R-Car Gen 5上で自社データやセンサー構成を使う実証へ早期に参加することで、量産段階の仕様策定へ影響を与えられます。

要監視|SK hynixが宮城県でメモリ工場を検討との報道

Reutersは8月21日、韓国紙の報道として、SK hynixが宮城県で大規模なメモリ工場を検討していると伝えました。投資額は数十兆ウォン規模となる可能性があります。

SK hynixは、必要なインフラを備えた地域は候補になり得るとしながらも、現時点で決定した事実はないと説明しています。実現すれば韓国の大手メモリメーカーによる初の大規模な日本生産案件となります。Reuters

インパクト:短期=低/中期=高/長期=高

主な影響業種: 半導体装置・材料、建設、電力、用水、物流、東北地域、地方金融。

経営上の意味: 宮城、岩手、山形を含む東北地方が、NAND、DRAM、装置・材料を結ぶ半導体製造地域へ発展する可能性があります。現段階では候補地報道であるため、設備投資計画への織り込みは正式発表後が適切です。

海外の主要ニュース

最優先|NVIDIA売上高962億ドル、Vera Rubinは本格量産へ

NVIDIAは8月26日、2027年1月期第2四半期の売上高が前年同期比106%増の962億ドル、データセンター部門が117%増の890億ドルになったと発表しました。次四半期の売上高見通しは1,080億ドルです。

Vera Rubinは本格量産に入り、CoreWeave、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud、Nebiusなどでラックの稼働が始まっています。一方、次四半期の見通しには中国向けデータセンター用演算製品の売上高を含めていません。NVIDIA

インパクト:短期=高/中期=高/長期=高

主な影響業種: AIデータセンター、クラウド、GPU、HBM、ネットワーク、電源、冷却、製造装置・材料。

経営上の意味: AI半導体需要は2026年後半も拡大しています。2027年の設備投資計画では、GPUの納期に加えて、HBM容量、CPU、ネットワーク、電力、冷却設備を同時に確保する必要があります。

最優先|メモリ費用がクラウド設備投資の中心へ、AIサーバーは15%超値上げとの報道

TrendForceは8月25日、大手クラウド事業者の設備投資に占めるDRAMとNANDフラッシュメモリの割合が、2026年の47%から2027年には68%へ上昇すると予測しました。

同社は、2026年のサーバーDRAM契約価格が累計約270%、エンタープライズSSD価格が約235%上昇し、2027年のHBM契約価格も70〜140%上昇する可能性があるとしています。

これに先立ち、NVIDIA製AI半導体を搭載したVera RubinやGrace Blackwellサーバーについて、2027年初頭の出荷価格が15%を超えて上昇すると一部顧客へ通知されたとの報道が出ました。NVIDIAはこの報道を正式確認していません。TrendForceReuters

インパクト:短期=高/中期=高/長期=中〜高

主な影響業種: クラウド、データセンター、企業IT、金融、製造業、生成AIサービス、サーバー販売。

経営上の意味: 2027年のAI投資予算は、GPU価格を基準にした概算では不足する可能性があります。見積書では、HBM容量、システムメモリ、SSD、納期、価格改定条項を分離して確認し、長期供給契約や価格上限条項も検討対象になります。

高優先|OpenAI、自社推論ASIC「Jalapeño」の実測性能を公表

OpenAIは8月25日、Broadcomと共同開発した推論ASIC「Jalapeño」の最初の性能測定結果を公表しました。

GPT-OSS 120B、DeepSeek R1 670B、Kimi K2.5 1Tを使った測定では、比較対象となる市販システムに対し、ピーク時の電力当たり処理量が1.5〜1.9倍、エンドツーエンドの遅延が1.7〜3.6分の1になったとしています。Jalapeñoの定格電力は700Wで、測定中の継続消費電力は550W以下でした。OpenAI

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: AIモデル、クラウド、カスタムASIC、HBM、Broadcom、先端パッケージ、サーバー製造。

経営上の意味: 推論量が十分に大きい事業者は、モデル、ソフトウェア、メモリ、ネットワーク、ASICを一体設計することで電力と応答時間を改善できます。一般企業では直接ASICを開発するよりも、GPU、TPU、Jalapeño系サービスをワークロード別に使い分ける調達戦略が現実的です。

高優先|GoogleとMarvell、最大1,200億ドルに連動するカスタム半導体契約

Marvellは8月19日、GoogleのTPUエコシステムに関連するカスタム半導体契約を米国SECへ提出しました。対象にはAI推論アクセラレータ、ストレージコントローラ、ネットワーク・メモリインターフェース、ニアメモリコンピューティングが含まれます。

GoogleはMarvell株約5,897万株を1株206.58ドルで取得できるワラントを受け取りました。このうち大部分は、Google向けカスタム製品売上高が5億ドル積み上がるごとに段階的に権利確定します。240段階すべてが達成された場合、対象売上高は最大1,200億ドルとなります。ただし、これは確定受注額でも、Googleによる現時点での122億ドルの株式取得でもありません。米国SECReuters

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: カスタムASIC、クラウド、ファウンドリー、ネットワーク、CXL、光通信、先端パッケージ。

経営上の意味: ハイパースケーラーと半導体会社の契約は、通常の部品購入から、長期購入額と資本関係を連動させる形へ進化しています。半導体・電子部品メーカーには、顧客の事業成長と自社の設備投資を長期契約で結び付ける新しい取引モデルが広がる可能性があります。

高優先|SK hynix、米国初のHBM生産拠点を着工

SK hynixは8月27日、米インディアナ州で40億ドルを超えるHBM先端パッケージ工場と研究開発拠点の起工式を開きました。2028年後半にクリーンルームを稼働し、2029年後半に次世代HBMの量産を始める予定です。

韓国で製造した先端ウェハーを米国へ送り、インディアナ州で積層、パッケージ、検査を行います。Reutersによると、同社は2029年第3四半期にHBM4Eの量産を始め、現在のメモリ不足が2030年末まで続くと予想しています。SK hynixReuters

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: HBM、先端パッケージ、検査装置、材料、AIデータセンター、米国進出企業。

経営上の意味: 米国の半導体政策は前工程だけでなく、HBMの積層・検査まで国内化する段階へ進みました。日本の材料、接合、検査、搬送装置メーカーにとって、米国の先端パッケージ拠点へ直接供給する機会が広がります。

高優先|Micron、100億ドルを投じるAIメモリ研究拠点を設立

Micronは8月20日、米アイダホ州ボイシに「Micron Research Labs」を設立し、今後10年間で100億ドルを投資すると発表しました。2027年に施設を着工し、メモリ技術、メモリと演算の新しいアーキテクチャ、先端パッケージ、将来の半導体製造技術を研究します。

今回の投資は量産工場の能力増強とは性格が異なり、DRAMやNANDの次に来るメモリ技術とコンピューティングシステムを長期的に研究するものです。Micron

インパクト:短期=低/中期=中〜高/長期=高

主な影響業種: DRAM、HBM、NAND、大学、半導体装置・材料、先端パッケージ、研究開発。

経営上の意味: AIメモリの競争軸が製造能力から、メモリと演算を一体で設計する研究開発力へ広がっています。日本の大学、材料メーカー、装置メーカーは、広島工場との取引に加えて、米国の研究エコシステムへ参加する経路を確保する必要があります。

高優先|中国YMTC、49億ドル規模の上場申請――NAND世界第3位を主張

中国YMTCの親会社CCSHは8月21日、上海証券取引所の科創板へ上場し、330億元、約49億ドルを調達する計画を提出しました。208億元を生産ラインの高度化、122億元を次世代NANDや高速ストレージの研究開発に使う計画です。

目論見書によると、YMTCの2026年1〜3月期売上高は470億元、純利益は333.8億元でした。NANDの平均販売価格は2025年平均より173%上昇し、工場はほぼフル稼働となりました。同社は2026年第1四半期のNAND出荷量・売上高で世界第3位になったとしています。Reuters

インパクト:短期=高/中期=高/長期=高

主な影響業種: NAND、SSD、データセンター、中国事業、半導体装置・材料、投資家。

経営上の意味: YMTCは米国の輸出規制下でも、国内装置の採用と独自製造技術によって生産を拡大しています。キオクシアを含む既存NANDメーカーにとって、供給不足局面では価格上昇の恩恵が生じる一方、中国の増産が進むと次の供給過剰を引き起こす可能性があります。

注目|中国CXMT、LPDDR6を量産しXiaomiへ供給

中国DRAMメーカーのCXMTは8月29日、最新のLPDDR6を量産し、Xiaomiが9月に発売する折り畳みスマートフォン「Xiaomi 18 Fold」へ供給すると発表しました。Xiaomiの自社設計3nmプロセッサ「Xring O3」と組み合わせて使用される予定です。

CXMTはLPDDR5の量産開始から1年足らずでLPDDR6へ進みました。2026年上期の売上高は前年同期比874%増の1,503億元となり、赤字から黒字へ転換しました。スマートフォンに加えて、サーバーとスマートカー向けにもLPDDR6サンプルを出荷しています。Reuters

インパクト:短期=中/中期=高/長期=高

主な影響業種: DRAM、スマートフォン、車載、エッジAI、中国向け電子機器、調達。

経営上の意味: 中国では、端末、プロセッサ、DRAMを国内企業で組み合わせる垂直統合が進んでいます。中国で製品を販売する日本企業は、現地製メモリの認証、コスト、輸出規制、知的財産を同時に評価する調達体制が必要です。

重要数値と需給シグナル

指標今回確認された数値経営上の読み方
NVIDIA四半期売上高962億ドル、前年同期比106%増AI設備投資は拡大継続
NVIDIAデータセンター売上高890億ドル、同117%増GPU・ネットワーク・メモリ需要が連動
NVIDIA次四半期売上高見通し1,080億ドル供給制約下でも成長継続
CSP設備投資に占めるDRAM・NAND2026年47%→2027年68%メモリ価格がAI投資予算を左右
2027年HBM価格予測70〜140%上昇の可能性早期契約と価格上限条項が重要
NVIDIA搭載サーバーの値上げ報道15%超2027年度予算の再計算が必要
キオクシア・Sandisk国内投資2032年までに約5兆円日本のNAND供給基盤を長期強化
SK hynix米国HBM投資40億ドル超HBM後工程の米国化
Micronメモリ研究投資10年間で100億ドル次世代メモリの研究競争が加速
YMTC上場調達計画330億元、約49億ドル中国NANDの増産資金を確保
Google・Marvell契約条件達成時に最大1,200億ドル相当の売上高カスタムASICが長期調達産業へ

経営者への示唆と影響マップ

1.2027年のAI予算は「メモリ込みのシステム価格」で組み直す

GPU価格に一定倍率を掛ける従来の概算では、HBM、DRAM、SSDの上昇を吸収できない可能性があります。2027年導入分は、メモリ容量別の価格、納期、価格改定条件を見積書に明記する必要があります。

2.GPUとカスタムASICの使い分けがクラウド選定を左右する

学習、モデル開発、頻繁に変化するワークロードではGPUの柔軟性が生きます。大量かつ安定した推論処理では、TPUやJalapeñoのようなカスタムASICが電力と運用コストを下げます。クラウド契約では、GPUのブランドよりも、処理量、応答時間、電力、サービス単価を比較することが重要です。

3.大型投資が決まっても、短期のメモリ不足は解消しにくい

キオクシア、SK hynix、Micronの新しい生産・研究拠点が本格的に寄与するのは2028〜2030年です。2027年までの調達では供給不足を前提とし、複数メーカー認証、長期供給契約、クラウドとオンプレミスの併用を進める必要があります。

4.日本企業には「AI半導体の周辺」で大きな事業機会がある

日本ではキオクシアのNAND、富士通のCPU、ソシオネクストのカスタムSoC、ルネサスの車載AI SoCが具体化しています。さらに、HBMや3次元積層に必要な材料、接合、検査、洗浄、搬送、電源、冷却まで含めると、日本企業が取り込める市場は広がります。

5.中国メモリは調達候補と競争相手の両面から評価する

YMTCとCXMTは、量産、価格、資本調達、大手顧客認証を同時に進めています。中国事業では現地部品の採用が競争力につながる可能性があります。一方、日本・米国・欧州市場向け製品では輸出規制、セキュリティ、顧客の調達基準を含むサプライチェーン分離が必要です。

まとめ

8月30日までの2週間は、AI半導体市場の成長が止まっていないことと、その成長を支えるメモリの価格・供給問題がさらに深刻化したことが同時に確認された期間でした。

NVIDIAは四半期売上高962億ドルへ成長し、OpenAIとGoogleは自社ワークロードに最適化した半導体を拡大しています。その一方で、AIシステムの価格を押し上げている主因は、GPUそのものからHBM、DRAM、NAND、先端パッケージへ広がっています。

日本企業の経営判断では、AI半導体を一つのチップとして捉えるよりも、CPU、GPU、ASIC、メモリ、ストレージ、ネットワーク、電力、冷却を束ねた設備産業として捉えることが重要です。2027年以降の競争力は、最も高性能なGPUを確保できるかだけでなく、限られたメモリと電力を使って、どれだけ多くの有用なAI処理を実行できるかによって決まります。

主な一次情報・主要メディア

  1. NVIDIA 2027年1月期第2四半期決算
  2. TrendForce:2027年のクラウド設備投資とメモリ価格
  3. キオクシア・Sandisk:約5兆円の国内投資計画
  4. OpenAI:Jalapeñoの性能測定結果
  5. 米国SEC:MarvellとGoogleのカスタム半導体契約
  6. SK hynix:米インディアナ州HBM拠点
  7. Micron:Micron Research Labs設立
  8. ソシオネクスト:Intel 18A-P採用
  9. 富士通:FUJITSU-MONAKA
  10. ティアフォー・ルネサス協業
  11. Reuters:YMTCの上海上場計画
  12. Reuters:CXMTのLPDDR6量産
さっつーのよい知らせ:最新話

【さっつーのよい知らせ】第19話・仲直り(アナログイラスト・漫画×癒し)

【漫画×アニメ】サメじろう家族の結末。仲直りか、それとも…|さっつーのよい知らせ・19話 仲直り

【あらすじ】

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イラスト・原作:ソラガスキ

次世代半導体