智元机器人(Agibot)ハードウェア徹底解剖報告書:モジュール化設計、内製アクチュエータ技術、および中国サプライチェーンによる「降本増效」の全貌
購入された方にはPDF版もご提供します。
第1章:製品ラインナップとハードウェア諸元推移(遠征シリーズから霊犀 X1へ)
1. 産業用実証機(遠征 A1/A2)の機構的特徴
智元机器人(Agibot)が開発するヒューマノイドロボットは、研究室内の学術実証にとどまらず、自動車製造工場における部品キッティング、ねじ締め組立、物流搬送といった過酷な産業現場でのタスク代替を主眼に置いて機構設計が推進されている1。初期モデルである「遠征 A1(Expedition A1)」から、量産と商用展開を前提に再設計された「遠征 A2(Expedition A2)」シリーズへの進化の過程において、機体骨格の剛性配分、可搬重量(ペイロード)、自由度配置、ならびに現場稼働環境への適合性が体系的に再構築された1。
遠征 A1は全身49以上の自由度(DoF)を備え、身長約175cm、自重約55kgの諸元で登場した3。これに対し、商用量産機として再定義された遠征 A2は、身長169cm、自重69kgとなり、作業時の反力に耐えうる低重心化とフレーム剛性の向上が図られている1。能動自由度は手部を含めて全身で40自由度以上が確保されており、2時間の連続稼働と最大30kgの負荷耐性を備える1。
産業現場の多様な作業形態に対応するため、Agibotは遠征 A2のプラットフォームから派生モデルを展開している1。移動効率と安定性を最優先とする柔性製造環境向けには、4輪駆動台車と双腕マニピュレータを統合した「遠征 A2-W」が投入され、単腕5kg(双腕10kg)の可搬重量を維持しながら部品搬送や精密嵌合タスクを担う1。一方、パレタイジングや重工部品ハンドリングを担う重作業特化型モデル「遠征 A2-Max」は、身長175cm、自重85kg、全身67自由度を擁し、大腿部にリニアアクチュエータ(直線推杆電機)を導入することで腿部関節推力8,800Nを実現し、40kgの重量物を単独で持ち上げる高剛性リンク機構を備えている1。
| 機種名 | 全高 (cm) | 自重 (kg) | 全身自由度 (DoF) | 最大可搬重量 (kg) | 移動下肢機構 | 主たる想定用途 |
| 遠征 A1 | 約175 | 約55 | 49+ | 単腕 5(把持) | 二足歩行(受動膝+直駆足部) | 工場内搬送・初期組立実証3 |
| 遠征 A2 | 169 | 69 | 40+ (能動) | 全身負荷 30 | 二足歩行(6自由度×2脚) | 商業案内、軽作業組立1 |
| 遠征 A2-W | – | 230 | 7自由度双腕+車輪 | 単腕 5 / 双腕 10 | 4輪独立駆動(オムニ/メカナム) | 自動車・電子工場内部品供給1 |
| 遠征 A2-Max | 175 | 85 | 67 | 重搬送 40 | 二足歩行(大推力リニア駆動併用) | 重荷重搬送、パレタイジング1 |
| 霊犀 X1 | 130 | 約33 | 28~29 | 腕部単体自重 2.5 | 二足歩行(直列・並列ハイブリッド) | アカデミア、二次開発、データ収集1 |
上肢の自由度配置においては、肩関節にピッチ・ロール・ヨーの3軸を直交配置し、肘関節に1〜2軸、手首に3軸(ピッチ・ヨー・ロール)を配備する7自由度アーム構成を標準としている1。これにより特異点姿勢を回避しつつ、治具や狭小スペースへの自由なアプローチが可能となっている。腰部にはヨー軸旋回とピッチ軸屈曲を組み合わせた2〜3軸が配置され、重量物リフト時における全身のモーメント補償および動的バランス制御を担保している。
5000円以上のレポートは、当サイトが発行する請求書/インボイスによる銀行振込のお支払いに対応します。お問合せはinfo@sattu-ai-agent.com まで。
決済ツール Codoc による料金お支払いは、初回に Codoc への会員登録(IDとパスワード)が必要になります。インボイス対応の領収書が出ます。お問合せは info@sattu-ai-agent.com まで。


