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村田製作所は積層セラミックコンデンサを誰に売っているのか?AIサーバー分野の商流分析

1. 商流の階層構造とサプライチェーンのエコシステム

大規模言語モデル(LLM)の急速な進化に伴い、最先端AIアクセラレータの消費電力は1チップあたり1,000Wを超え、過渡電流の変動幅(ΔI)および急激な電流変化率(di/dt)は従来の汎用サーバーとは比較にならない領域に達している1。動作コア電圧が1V未満へと低下する一方で供給電流が数千アンペア規模へと跳ね上がるなか、許容される電圧変動マージン(Voltage Droop)は数ミリボルト単位に制限されている1。この極めて過酷な環境下で計算性能を最大化するため、半導体ダイからラック給電に至る電力供給ネットワーク(PDN: Power Delivery Network)のインピーダンス平坦化が最重要課題となっている3。この技術的要請を背景に、村田製作所は受動部品から電源モジュールに至る包括的な製品ポートフォリオを武器として、独自の二重構造を持つ商流エコシステムを構築している4

AIサーバー市場における受動部品および電源部材の調達は、リファレンス設計および推奨部品リスト(AVL: Approved Vendor List)を策定するアーキテクトによる「スペック指定(指定買い)」と、指定に基づき実際の製造・実装を担当するハードウェアベンダーへの「直接納入」という明確な役割分担によって成り立っている6

アーキテクトによるスペック指定とリファレンス認定(指定買い)

PDNアーキテクチャの根幹を規定するのは、GPUやカスタムASICを開発する半導体メガテックおよび自社インフラを独自開発するハイパースケーラーである6。 NVIDIA(Hopper、Blackwell GB200、次世代Vera Rubin VR200など)やAMD(Instinct MI300/350シリーズ)などのアクセラレータベンダーは、プロセッサの電気的・熱的限界を担保するため、自社開発のリファレンスボード上で極めて厳密な部品検証を行う7。瞬時の負荷変動時に許容インピーダンスを超過しないよう、要求されるMLCCの周波数特性、実効容量、ESR(等価直列抵抗)、ESL(等価直列インダクタンス)、さらにはダイ直下に配置するシリコンキャパシタの型番に至るまで、村田製作所製品がリファレンス設計の初期段階から指名指定される2

並行して、Google(TPU)、AWS(Trainium / Inferentia)、Meta(MTIA)といったクラウドサービスプロバイダ(CSP)も、自社データセンター内のエネルギー効率を最大化すべく独自のアクセラレータ基板およびラックアーキテクチャを策定している9。これらのハイパースケーラーはOCP(Open Compute Project)などの業界標準を主導しつつ、自社のPDN基準を満たすサプライヤーとして村田製作所を直接認定し、下流の製造委託先に対して部品指定を行う6

村田製作所はこれら最上流の設計者に対し、設計初期段階から連成シミュレーションモデル(Sパラメータ等)やPDN最適化ソリューションを提供することで、他社が参入できない排他的な仕様組み込みを実現している3

直接の納入先(Tier 1電源メーカー、台湾ODM、先端パッケージ基板ベンダー)

リファレンス認定およびスペック指定が行われた後、実際の受発注、納入、決済は製造工程を担う各サプライチェーン階層へと展開される9

供給先カテゴリ主要企業主な納入製品群サーバーPDNにおける役割
半導体パッケージ/先端基板メーカーTSMC(CoWoS工程)、イビデン、Unimicron、新光電気工業超薄型シリコンキャパシタ、極薄MLCC(01005、0201サイズ)9インターポーザ裏面(LSC)やパッケージ基板内部への受動部品埋め込み14
Tier 1 電源大手Delta Electronics(台達電子)、Lite-On Technology(光宝科技)、AcBel Polytech7高耐圧・大容量MLCC、金属端子型コンデンサ、コモンモードチョーク、パワーインダクタ13AC-DC/HVDC電源ユニット(PSU)、中間バスコンバータ(IBC)、Power Shelfの製造16
台湾主要ODM/アセンブラFoxconn(鴻海精密工業)、Quanta Computer(広達電脳)、Wistron、Wiwynn、Inventec9コンピュートトレイ用MLCC、導電性高分子アルミ電解コンデンサ、TLVRインダクタ、EMC部品3マザーボード(OAM/UBB)への部品実装、トレイ組み立て、サーバーラック総合統合12
直接供給(Murata Power Solutions経由)ハイパースケーラー、大手サーバーOEM各社10ORV3準拠Power Shelf、3.6kW PSU、BBU(バッテリバックアップ)シェルフ、RMU16ラック電源システム全体の完成品モジュール供給10

この重層的な構造において、村田製作所は上流の仕様策定者と直接協調設計を行いながら、実際の製品出荷先としては世界各地のパッケージ基板工場、電源ユニット工場、ODMアセンブリラインへ納入する複線的な供給経路を維持している2

2. 販売している高付加価値コンポーネントと技術仕様

AIサーバーのPDNは、商用交流(AC)または高圧直流(HVDC)からラック内バスバー(48V〜54V)、中間電圧(12V)、そしてプロセッサコア(1V未満)へと段階的に電力を変換する多段構造で設計されている1。村田製作所は、プロセッサダイの直近からラック全体の電源シェルフに至る全領域をカバーする製品群を網羅している10

チップ直下・パッケージ内部向け超小型・低背コンデンサ

数千アンペアの過渡負荷にナノ秒単位で追従するためには、配線ループに起因する寄生インダクタンスを極限まで排除しなければならない14。プリント基板上に配置されたコンデンサでは距離が離れすぎており、高周波領域のインピーダンス上昇を抑制できないため、受動部品の「パッケージ基板内蔵」および「ダイ直下(BGAボール間やインターポーザ裏面)」への実装が不可欠となる2

この領域において村田製作所の中核を担うのが、独自の半導体プロセスを応用したシリコンキャパシタ(3D PICS技術: Passive Integration Connecting Substrate)である12。シリコンウェハ上に深掘りトレンチ構造を形成することで、1.3 μF/mm2 から 2.0 μF/mm2 超という極めて高い静電容量密度を実現している14。さらに、厚さ40 μm 未満から 100 μm 程度の超薄型プロファイルを有するため、次世代プロセッサパッケージ(NVIDIA Blackwell等)の基板内蔵やキャビティ内配置が可能となる9。電気的特性においても、等価直列インダクタンス(ESL)を1 pH未満に抑制し、数MHzからGHz帯に及ぶ広帯域で極めて低いインピーダンス特性を維持する2。HTSC/XTSCシリーズに見られるように、200℃から250℃の超高温環境下でも容量変化率が極めて小さく、DCバイアス電圧印加による容量劣化が存在しない点は、激しい発熱を伴う先端アクセラレータ直下においてMLCCに対する決定的な優位性をもたらしている9

シリコンキャパシタを補完する部材として、パッケージ裏面(ランド・サイド・キャパシタ: LSC)には01005(0402公称)や0201(0603公称)サイズの極薄MLCC(厚み0.1mm〜0.2mmクラス)が超高密度に実装され、高周波デカップリング回路網を形成している2

電源ライン向け大容量・高耐熱MLCC、金属端子型コンデンサ、大電流パワーインダクタ

オンボード給電回路では、配線損失(I^2R 損失)を抑制するために従来の12V給電から48V〜54V給電への移行が定着している6。これに伴い、DC-DCコンバータやPoL(Point of Load)レギュレータの入力部には、高耐圧と大容量を兼ね備えた高信頼性コンデンサが求められる6

村田製作所は48V給電ライン向けに、X6S、X7R、X7T特性に対応した100V耐圧・数μF〜10μFクラスのMLCC(0805、1206、1210サイズ)を展開し、PoL出力段向けには0402や0603サイズで22μF〜100μFの大容量品をラインナップしている13。これらの製品群は105℃〜125℃の高温稼働を保証し、電圧印加時の実効容量低下を抑える材料設計が施されている9

さらに、高発熱と振動が集中するマザーボード電源ラインに対しては、外部電極に弾性金属フレームを接合した金属端子型コンデンサ(KRMシリーズ)が投入されている15。大電流が流れる回路では、熱膨張係数の差に起因する熱ストレスや基板の反りによってセラミック素体にクラックが生じるリスクが高まるが、KRMシリーズは金属端子のバネ作用によって応力を吸収し、2,000サイクルを超える熱衝撃試験でも電極剥離やクラックを発生させない。また、誘電体の電歪現象による振動を基板へ伝えない構造により音鳴き(Acoustic Noise)を防止するとともに、2個の素子を垂直にスタック(段積み)することで、実装占有面積あたりの静電容量を2倍に高める高密度化を実現している。

電圧レギュレータモジュール(VRM)の出力段においては、低直流抵抗(DCR)と高飽和電流特性を兼ね備えた大電流パワーインダクタが不可欠である。とりわけ、1,000A/μsを超える電流ステップに対応する次世代GPUの電源トポロジとして、各相のインダクタ間を磁気的・電気的に結合させるTLVR(Trans-Inductor Voltage Regulator: トランス結合インダクタ)方式の採用が加速している1。村田製作所は高効率なTLVR対応インダクタを供給し、急峻な負荷変動時における多相レギュレータの見かけ上のインダクタンスを瞬時に引き下げ、過渡応答時間を大幅に短縮するとともに出力コンデンサの所要数を最大40%削減することに貢献している18

ラック単位の高圧DC給電モジュール・サーバー用電源ユニット関連部材

村田製作所は受動部品の単品供給にとどまらず、子会社Murata Power Solutions(MPS)を通じて、データセンターのオープン規格(OCP)に準拠したラック単位の電源システムモジュールを開発・製造している15

主力製品であるORV3(Open Rack Standard v3)準拠のPower Shelfは、19インチおよび21インチ幅の金属製筐体内に最大6台の高効率PSU(電源ユニット)を収容し、50Vまたは54.5Vのバスバー出力を生成する10。出力容量は18kWから33kWに達し、N+1またはN+Nの冗長構成をサポートする15。搭載される3.0kW〜3.6kWの単体PSUは、電力変換効率96%以上を誇る「80 PLUS Titanium」規格に適合しており、超高密度ラックにおける熱損失を最小限に抑制する15

入力電源方式においては、単相ACや三相AC(Delta / Wye)のみならず、配線導損を削減するため次世代データセンターで採用が広がる200V〜400VのHVDC(高圧直流)入力に対応している15。さらに、将来的に構想される800V級DCリンク給電システムを見据え、高耐圧シリコンキャパシタなどの先端部材開発も推進している25

電源シェルフ周辺の統合ソリューションとして、商用電源喪失時に最大18kWの電力を数分間供給して無瞬断切り替えを担保するリチウムイオン電池内蔵のバッテリバックアップユニット(BBU)シェルフや、SNMPおよびPMBus通信を介してラックの電力状態を遠隔監視・制御するリモートマネジメントユニット(RMU)までを一体型システムとして供給している16

PDN実装レイヤー代表的な村田製作所製品主要な電気的・物理的仕様解決する技術的課題
Level 1: パッケージ内部/ダイ直下3Dシリコンキャパシタ、極薄低背MLCC24静電容量密度 1.3〜2.0+ μF/mm2、厚み <40 μm、ESL <1 pH、200〜250℃耐熱2極限の急峻過渡負荷(di/dt)に伴う電圧ドループの瞬時抑制、寄生インダクタンスの排除14
Level 2: マザーボード/コンピュートトレイ大容量・高耐熱MLCC、金属端子型コンデンサ(KRM)240201〜1210サイズ、耐圧6.3V〜100V、X6S/X7R/X7T、105〜125℃対応、2段スタック1348V/54Vバスの電圧安定化、基板たわみ・熱サイクルによる素子割れ防止、音鳴きの完全遮断6
Level 2: 多相VRM出力段TLVR用結合インダクタ、大電流パワーインダクタ18低DCR、高飽和磁束密度、多相間磁気結合構造11,000A超の負荷急変に対する高速過渡応答の実現、平滑コンデンサ所要数の大幅削減20
Level 3: ラック/電源シェルフORV3準拠 Power Shelf、3.6kW PSU、BBU1518kW〜33kW出力(50V/54.5V)、Titanium効率(>96%)、単相/三相ACおよびHVDC入力15ラック給電の超高密度化、高圧DC化による配電損失低減、無瞬断バックアップと冗長性の担保10

3. AI特需の構造的理由と村田製作所の競争優位性

AIインフラに対する巨額投資の継続は、受動部品市場に対して「員数(数量)」と「単価(仕様)」の両面から爆発的な成長をもたらしている。一般的な汎用サーバー1台あたりのMLCC搭載数が約2,000〜3,000個であるのに対し、最先端AIサーバーでは1台あたり約25,000〜30,000個ものMLCCが消費される6。これはスマートフォン約30台分に匹敵する員数である20。さらに、NVIDIAの次世代ラックアーキテクチャ(Vera Rubin VR200 NVL72等)では、18基のBlueField DPUモジュールや72基のConnectXネットワークモジュールが増設される影響により、ラック1台あたりのMLCC調達金額がGB200世代の約1,530ドルから約4,320ドルへと182%急増するとの試算が示されている12

村田製作所は、この高難度なAIサーバー向けハイエンドMLCC市場において世界シェア約45%を維持しており、約40%を占める韓国Samsung Electro-Mechanicsとともに事実上の二者複占(Duopoly)体制を構築している13。太陽誘電やTDK、MARUWA、Kyocera AVXなどの有力メーカーが競合するなかで、なぜ村田製作所が圧倒的な優位性を保持し続けられるのか、その構造的理由は3点に集約される6

材料技術の垂直統合と微細多層化プロセスの参入障壁

MLCCの性能限界は、主原料であるチタン酸バリウム(BaTiO3)の微細化技術と、それを欠陥なく均一に薄層積層するプロセス技術によって決まる6。 村田製作所は、チタン酸バリウムの粉末合成から分散剤、添加微量元素(希土類・レアアース)の配合に至るまでを自社内で垂直統合的に開発・内製化している6。中国による希土類輸出規制等に伴う原材料調達リスクが業界全体で懸念されるなかでも、独自の材料配合技術と自社調達網によって安定した生産継続性を担保している9

製造プロセスにおいては、サブミクロン未満の超微細粒子を均一にシート化し、1μmを下回る極薄の誘電体層と内部電極(ニッケル)を数百から千層以上積み重ねる高精度積層技術を保有する9。誘電体層を薄くするほど静電容量は向上するが、同時に層間絶縁破壊のリスクが高まり、MLCC特有の「DCバイアス印加時に実効容量が大幅に低下する現象」が顕著になる9。村田製作所はナノ結晶粒界の制御によって高電圧印加時でも実効容量を高く維持する材料組成を確立しており、48Vバスのような高電界ストレス下でも他社品を凌駕する実効静電容量を提供する9

また、AIアクセラレータ周辺は局所的に100℃〜125℃以上の過酷な熱環境となるが、村田製作所は車載電装向け(AEC-Q200規格準拠)で長年培ってきた耐熱・耐衝撃技術をそのままサーバー向けハイエンド製品群へ転用している9。高熱サイクルによる素体割れやショートモード故障を極限まで低減させた高い信頼性こそが、システムダウンが数億円の損失に直結するメガクラウド事業者から村田が指名される技術的裏付けとなっている6

シリコンキャパシタによる先端半導体パッケージング領域の先行独占

従来のセラミック材料を用いたMLCCは、物理的な強度限界から厚み0.1mm以下の領域では割れやクラックの発生率が急激に跳ね上がり、歩留まりが著しく悪化する2。これに対し、村田製作所は2016年に買収した仏IPDiAの技術を昇華させ、半導体シリコンウェハを用いた3Dトレンチ構造のシリコンキャパシタを量産化することに成功した12

シリコンキャパシタは半導体フォトリソグラフィおよびドライエッチング技術を駆使して形成されるため、厚さ40 μm 未満というMLCCでは到達不可能な極薄形状を高い歩留まりで実現できる12。この極薄構造とシリコン基板の熱膨張整合性により、TSMCのCoWoSなどの先端2.5D/3Dパッケージ内部やインターポーザ直下への埋め込みが可能となった14。競合他社がMLCCの微細化によるアプローチを模索するなか、村田製作所はフランスのカーン工場に6,000万ユーロを投じて200mmウェハの専用量産ラインを新設し、いち早く先端パッケージ市場のキャパシティを抑え込んだ12。このシリコンキャパシタの量産技術と知財の蓄積が、NVIDIAのBlackwellプラットフォームをはじめとする最高難度のアクセラレータPDNにおいて強力な参入障壁として機能している14

供給能力のスケールとシステムレベルのPDNソリューション力

AIサーバー市場の急拡大局面において、大手ハイパースケーラーや半導体ベンダーがサプライヤーを選定する基準は、製品スペックにとどまらず「要求される数量を欠品なく供給し切るキャパシティ」に直結している6。 村田製作所の月間MLCC生産能力は約1,400億個に達しており、競合のSamsung Electro-Mechanics(約980億個)や太陽誘電(約400億個)を量的に大きく引き離している36。2026年時点において、同社の中島規巨社長が公言しているように、データセンター向けコンデンサの引き合いは生産能力の2倍に達し、B/B(受注/出荷)レシオは1.3超という歴史的な高水準を記録している14。この供給能力のスケールがあるからこそ、数千億円規模の設備投資を断行する巨大IT企業は村田製作所を主幹サプライヤーとして指定せざるを得ない6

さらに、村田製作所の強みは単なる部品売りにとどまらないシステムレベルの提案力にある。2026年2月に同社が公開した「データセンター用AIサーバー向け電源供給ネットワーク効率化に関するテクノロジーガイド」に見られるように、同社はラック給電からパッケージ内部に至る多層的PDNのインピーダンス平坦化手法を顧客へ提示している3。自社開発の回路設計支援ツール「SimSurfing」を通じて高精度なSパラメータやSPICEモデルを提供し、顧客の設計初期段階におけるPDN共振の抑制やキャパシタ配置の最適化を支援することで、他社製部品への安易なリプレイスを阻止する深いエンジニアリング・ロックインを築いている2

比較項目村田製作所Samsung Electro-Mechanics太陽誘電TDK
AIサーバーMLCC世界シェア約45%(首位)32約40%(第2位)約5〜10%(中位)325%未満(特定ニッチ領域)5
材料技術・内製化体制チタン酸バリウムの基礎合成から添加物まで完全内製9内製化を進めるも一部外部調達、微細積層で急速に追従6高度な材料・分散技術を有し、高容量品に強み5フェライト等の磁性材料に強み、MLCCは車載・産業特化5
先端パッケージ向けシリコンキャパシタ仏カーン工場で200mmウェハ量産体制確立(3D PICS技術で先行独占)12技術開発を完了し超大型契約を獲得、村田を猛追7セラミック技術特化、シリコンキャパシタは未参入9薄膜基板技術を保有するがパッケージ内蔵シェアは限定的9
ラック電源モジュール(ORV3等)Murata Power SolutionsによりPower ShelfやPSUを直販15電源モジュール完成品は手掛けず受動部品・基板に特化38電源システム事業は非保有(電子部品単体に集中)9産業用電源(TDKラムダ)を有するがORV3標準ラック給電は限定的
PDNシステム設計支援SimSurfingによる高精度モデル提供、総合テクノロジーガイドの発行10パッケージ基板とMLCCのシナジーによるシミュレーション39高度なシミュレーションツールを提供するが部品単位中心9磁性部品とノイズ対策を連動させた解析ソリューション9

4. 結びと今後の展望

AIサーバーの進化に伴うPDNの課題は、もはや半導体の外部にコンデンサを並べる従来の基板設計手法では解決できない領域に突入している2。ナノ秒単位で発生する数千アンペアの電流変化と極小の電圧マージンを満たすためには、プロセッサダイ直下からラック電源シェルフに至る電力網全体を一貫した思想で設計・制御しなければならない1

村田製作所は、最上流に位置する半導体アーキテクトやハイパースケーラーとの協調設計を通じてリファレンス認定を掌握し、中流・下流のパッケージ基板メーカー、電源ユニットメーカー、ODMアセンブラへと製品を送り届ける強固なサプライチェーンを確立している2。その製品展開は、ダイ直下の超低ESLシリコンキャパシタから、基板上の高耐圧・大容量MLCCや金属端子型コンデンサ、多相VRM向けTLVRインダクタ、そしてラック給電を担うORV3準拠Power Shelfに至るまで、PDNの全階層を垂直統合している9

競合各社に対する村田製作所の本質的な参入障壁は、チタン酸バリウムの自社合成から始まる高度な材料技術、半導体プロセスを融合させたシリコンキャパシタの先行量産投資、月間1,400億個に及ぶ圧倒的な供給能力、そしてインピーダンス平坦化を包括的に支援するPDNソリューション力という多層的な優位性の融合にある6

中長期的には、さらなる大電流化に対応する「垂直電力供給(VPD: Vertical Power Delivery)」の導入や、データセンター給電の800V HVDC化といった新たなパラダイムシフトが予見されている2。村田製作所が培ってきた極薄シリコンキャパシタ技術と高圧・大容量パッシブコンポーネント群は、これらの次世代PDNアーキテクチャにおいても不可欠なインフラ基盤として、今後もAIエコシステムの中核で高い市場支配力を維持し続けるものと考えられる6

引用文献

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  39. Capacitors Monthly Newsletter – Passive Components Blog, https://passive-components.eu/?mailpoet_router&endpoint=view_in_browser&action=view&data=Wzc5OCwiNTI2NGI3NzNhYmFjIiwwLDAsMTA2NiwxXQ
  40. Samsung Wins KRW 1.072T AI Server MLCC Contract, https://passive-components.eu/samsung-electro-mechanics-secures-krw-1-0722-trillion-ai-server-mlcc-supply-contract/
さっつーのよい知らせ:最新話

【さっつーのよい知らせ】第19話・仲直り(アナログイラスト・漫画×癒し)

【漫画×アニメ】サメじろう家族の結末。仲直りか、それとも…|さっつーのよい知らせ・19話 仲直り

【あらすじ】

「ーー確かに、パパさんのやってきたことは良いこととは言えないけど、それでも、ゆるしてあげよう。」
さっつーのこの言葉を胸に、サメじろうはパパと仲直りできるのか!?

サメじろうが選んだのは、お別れか、それとも仲直りか。赦しあう心、家族の大切さを再確認できる、手描きのアナログイラストによる温かなアニメーション風漫画です。ほのぼのとした癒しと感動が広がる第19話を、ぜひご覧ください。


イラスト・原作:ソラガスキ

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